
酢飯粥ゼリーが固まらずお悩みの方へ
皆さま、こんにちは。介護食シェフの在川(ざいかわ)です。
スベラカーゼを使用してゼリーを作った際に「いつも通りに調理したのに固まらない!!」という経験をしたことはありませんか?
注意すべき食品として、「塩分を含む食品」を紹介しています。
詳しくは以下のお役立ち情報をご覧ください。
実は、塩分を含む食品以外にも、固まらないというお問合せをいただくメニューがあります。
それは「酢飯粥」です。
ということで今回は、 “酢飯粥” を例に注意するポイントをお伝えしていきます。
是非、参考にしてみてください
酢飯粥はなぜ固まりにくいの?
酢飯粥を通常のお粥(酸を含まないお粥)と同様の手順で調理すると、動画のように固まらない場合があります。
塩分を含む食品の場合には、加熱する温度を80℃以上にすることがポイントでした。
では、酸を含む食品はどうでしょうか?
酢などの酸を含む食材の場合、通常よりゆるいゼリーになってしまいます。
そして酸を含む食品をゼリーにする場合、
スベラカーゼを適宜増量し、ミキサーにて撹拌した後、80℃以上に加熱してください。
添加量の増加の際は、0.3〜0.5%程度を目安としてください。
例えば、酸を含まないお粥への添加量が1.5%の場合には、1.8〜2.0%の添加量まで増やすことになります。
つまりポイントは、添加量を増やすことと加熱温度を上げることです。
酢飯粥をゼリーにしてみよう!
では、上記注意を意識して酢飯粥をゼリーにしてみます。
動画の通り調理すると、酢飯粥もゼリーになりました!
出来上がりは以下の通りです。
ゼリーを固める上では温度以外にも計量・分散も重要です。
詳しくは以下のお役立ち情報をご覧ください。
ゼリーが固まり始める温度にも注意
1番の注意点として、『添加量を0.3〜0.5%程度増やす& 加熱温度80℃以上』ということをお伝えいたしました。
しかし、もう1点注意すべきことがあります。
それはゼリーが固まる温度(凝固温度)です!
スベラカーゼで作るゼリーの凝固温度は70℃前後です。
つまり通常のお粥ゼリーではミキサーでの撹拌後、盛り付けをしている間にプルプルと固まってきます。
しかし、酢飯粥のような酸を含む食品は、80℃以上に加熱していますので、いつもより固まり始めるまでに時間がかかります。
焦らず、70℃以下になるまでお待ちください。
まとめ
ここまでお伝えした内容をまとめると、以下の通りです。
- 酢飯粥や梅粥もゼリーにすることは可能
- 酸を含む食品は添加量を0.3〜0.5%程度増やす&80℃以上に加熱する必要がある
- スベラカーゼで作ったゼリーが固まり始めるのは70℃前後
おまけ:ゼリーになるのか確認するコツ
加熱したばかりの食品が固まるか心配な場合は少量をスプーンですくい、冷水に落としてみてください。
この際に十分な加熱がなされていればゼリー状になります。
加熱が不十分な場合は、冷水の中で散り散りになってしまいます。

今回の情報が、皆さまの「ゼリーが固まらない!」というお悩みの役に立てれば幸いです。
作成:2018年9月21日 在川
更新:2025年6月20日
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監修:管理栄養士 江頭文江先生(地域栄養ケアPEACH厚木 代表)
